『原爆の写真展』見学記(加古川市民ギャラリー’23年8月2〜16日)

加古川市民ギャラリーで開催中の『原爆の写真展』を見学しました。
私なりの見どころや現地で考えたこと、見学のいきさつをシェアします。

写真展の見どころ

言うまでもなく、通常の美術展とは違い「伝えること」を目的とした写真展です。

広島・長崎の「あの日」、そしてそれ以降に原爆がどれだけの惨状をもたらしたのか。
言葉を超える、悲痛な訴えや「もう二度と繰り返さないでほしい」という魂の叫びを感じました。

加古川市では8月末に「広島平和の親子バスツアー」が行われています。

広島平和記念資料館で『かたりべ』から被爆体験講話を聴くとともに、館内展示品や原爆ドーム等の施設を見学します。核兵器の怖さや戦争の悲惨さを認識し、平和の尊さや平和を守ることの大切さを親子で学ぶ機会として、ぜひご参加ください。

『広島平和の親子バスツアー募集要項』加古川市ホームページより

1泊2日で広島へ行き、平和記念公園や平和記念資料館を見学。
翌日には「かたりべ」の方の講話を聴く、呉の関連施設を見学するといった内容とのこと。
(令和5年度の募集は終了しています)

今回の写真展の会場には、参加者の感想文集が展示されています。

拝見してみると、かなり多くの感想文に共通する、印象的な感想がありました。

それは「ツアーに参加する前にも、原爆のことは知っているつもりだったけれど、参加してみて”自分は何もしらなかったのだ”と思った」というもの。

私にとってもそれは同じでした。
確かに写真自体はテレビや雑誌などでも多く使われていて、知っているものもある。

でも、実際に足を運んで見学すると全く違う印象が迫ってくることに驚きました。
より原爆の恐ろしさや深刻さが分かり、決して他人事ではないことを強く感じさせられました。

また、下記のYoutube動画に、アメリカから旅行で来られたかたの次のようなコメントがありました。

(「広島のことを家族や友人にどう伝える?」と問われ)
非現実的な体験だった。
今、自分は広島にいて、そのことを理解することさえ難しいと感じる。

今日ここに来るバスの中で感じたことだけど、78年前にもきっと誰かが同じようにバスで仕事に向かっていただろう。そういった日常が、一瞬で消え去ってしまったなんて、実際あったことだなんて信じられない。

今日の自分に置き換えて、学校や会社に向かっているとき、家族や友人、自分の属している全ての場所が、瞬く間に無くなってしまうことを想像していたんだ。

【8月6日原爆の日】ヒロシマで感じたことを外国人観光客にインタビュー!海外のリアルな反応より書き起こし引用)

写真に写っているかたはもちろん、それ以外の被害に遭われた皆さん一人一人に、私たちと同じようにそれまで一生懸命生きてきたあゆみや、これからの夢・希望などがあった。

そのことを認識しながら見学していただくことで、核の恐ろしさを「自分ごと」として考えるきっかけになると思います。

見学後記・いきさつ

本ブログは芸術鑑賞も大きなテーマです。

そして平和もまた、芸術の重要なテーマのひとつ。

歴史の上でも、そのときどき芸術は最も大きな影響を受けてきました。
反戦反核を叫ぶ一方、国家の思惑の道具になってしまうこともありました。

ですから、本ブログでも施設の規模や知名度等関係なく「戦争の恐ろしさを語り継ぎ、平和について考える場」のひとつとして、戦争関連展示の見学記も掲載していきます。

かれこれ7年程前からになると思います。
主にNHKプラスやYoutubeで、原爆をはじめとした戦争のプログラムをよく見るようになりました。

実際に広島の平和記念公園、原爆資料館にも赴きました。

言葉にはとても言い表せない悲しみと悲痛な祈りに溢れた厳かな空間。心を強く締め付けられました。

年々被爆者、太平洋戦争を経験した方々が高齢化。

私が見た多くの番組の中でも、共通した課題として上がっているのが「誰が語り継ぐのか」ということです。実際に被爆2世3世の方、学生の皆さんの活動も目にします。

しかし、世界全体の動きとして戦争が止むことはなく、核戦争の危険性も日に日に高まる方向へ高まっており、私も常々「自分にできること」を問いかけています。

お盆直前にそのひとつの答えとして、「戦争関連の写真展等への見学記事を書いていこう」と思い立ちました。

関西では7月末から8月初頭の開催が多く、今年は件数が少なくなってしまいそうです。

しかし、本ブログ最初のレビュー記事をこのテーマですることで、微力ながら一人でも多くのかたに知る機会を提供し、自分自身も考え続けていく誓いに代えさせていただきます。

皆様もぜひ、まずは広島・長崎の平和記念公園や資料館見学はもちろん、お住まいの地域でも「戦争中に何が起きていたのか」を知る機会を持っていただきたいと思います。

加古川市民ギャラリー

加古川市民ギャラリーの写真です。筆者撮影、JR加古川駅構内のまち案内所の隣です。

開催期間:2023年8月2日(火)〜16日(木)(1日準備日、17日搬出日)9:45〜18:00
所在地:〒675-0065 兵庫県加古川市加古川町503-2(JR加古川駅構内、まち案内所内)
電話番号:079-456-0222
福祉関連情報:車椅子のピクトグラムです(段差など無し、車椅子はそのまま入れます)